誰かとの関係について考えてみましょう。それが家族や友人、恋人、同僚、人生で出会う他の誰かであってもかまいません。 

その絆を強固なものにしているのは何でしょう。 大きな役割を果たしているのは、絶え間なく続けられる着実な努力です。

一度の出会いが自動的に持続的な関係につながるわけではありません(たとえば、スーパーで会った見知らぬ人や飛行機でたまたま隣に座った人たち全員と連絡を取り続けるなんてことは、おそらくないでしょう)。 

どのような種類の関係性にも投資が必要です。 関係性には思いやり、共感、相手に合わせた態度、コミュニケーションの継続が必要です。そして、これはとりわけ顧客とのビジネス上の関係においても確かに当てはまります。

大きな成功を収めている企業は、ただ一度の購入だけで顧客を去らせてしまうわけにはいかないということを知っています。 代わりに、CRM戦略に絶えず注力して、その関係性を維持しようとします。そして、それは結果として収益の増加につながります。

顧客関係管理とは

顧客関係管理(CRM)は顧客との関係を維持し強固なものにしていくプロセスであり、その最終的な目標は企業収益を押し上げることです。

CRMアプローチには顧客との関係を維持強化するために行うあらゆること、一つひとつの施策やタッチポイントのすべてが含まれることになります。

とはいえ、「CRM」という用語は企業が顧客の連絡先を整理し、顧客との関係を管理するために使用する技術の面に特に焦点を当てた使われ方もしてきました。 「CRMシステム」、「CRMソフトウェア」、「CRMプラットフォーム」、「CRMソリューション」といった言葉は特に、顧客関係管理に関わるさまざまなことを円滑に進めるのを支援するデジタルツールを指しています。 

優れたCRM戦略を持つことが重要な理由

CRM戦略は顧客との関係を維持する取り組みを後方で支える原動力です。 このような文書化された作戦計画をまとめるのには、ある程度の時間と労力が必要となりますが、それでも策定する価値は十分にあります。 CRM戦略は、以下のような多くのメリットをもたらしてくれます。

  • 個々に最適化した、より良いサービスを提供できる:顧客関係管理戦略によって、カスタマージャーニー全体、そして個々のリードやお客様とのこれまでの関わりを包括的な視野で捉えることができるようになります。 このことは、型通りの対応や一般的なやり取りを超えた、相手に合わせたやり方やより良いサービスを提供する助けとなります。 消費者の71%がパーソナライズされた対応を企業に求める時代に、誰にでも同じ、うわべだけに見えるコミュニケーションを超えた対応のできる能力は重要です。
  • データに基づいた意思決定を行える:カスタマージャーニーの各フェーズのほか、パイプラインにどのリードがいるかなどを全体から広く見渡すことにより、戦略を改善し推進していくために利用できるデータやインサイトを得ることができます。 たとえば、カスタマージャーニーの特定の地点で顧客の解約が起きていることや、ある一定の応答時間が最も良い結果につながっていることなどが分かるかもしれません。
  • 企業の評判を高める:顧客ごとに最適化したサポートを行い、深い関心を示して顧客との関係に真剣に取り組むなら、自社の評判を高められるでしょう。 とても頼りになり、熱心で信頼できるという印象を与えることで、結果として、顧客は他社にもあなたの会社を推薦してくれる可能性がずっと高くなります。
  • 顧客ロイヤリティとリテンション率を高める:顧客の元に不定期でしか訪問していないとしたら、顧客が立ち去ってしまっても、それを本当に顧客のせいにできるでしょうか。 顧客関係管理戦略は、継続して定期的に顧客に価値とサポートを提供するように促します。 そうすることで、顧客ロイヤリティが醸成され、購買行動の間も購買後にも、顧客の支持が続きます。 

これらすべてを手に入れられたら、CRM戦略から得られる最大のメリットである企業収益・利益の増加も達成できます。 

顧客の獲得はとても大変です(実際、あるHubSpot調査では、2023年にマーケティング担当者が注力する予定の最大の課題はトラフィック/リード・ジェネレーションでした)。 ですから、関心の高い積極的な顧客を得られたときは、その機会を最大限に活かしたいものです。 よく練られたCRM戦略は、顧客関係の効果を可能なあらゆる方法で最大化することを助けてくれます。 

CRM戦略を策定するための7つのステップ

効果的な顧客関係管理には多くの利点がありますが、それを実現するには単に「顧客ともっと連絡を取り合う必要がある」という以上のことが要求されます。

他のどのようなビジネス上の取り組みもそうであるように、プランを適切に策定する必要があります。それは信頼できる唯一の情報源となるもので、チーム全体が顧客対応や顧客関係強化の方法を練り、改善するために利用できるものです。 

そうしてこそ、CRM戦略が効果を発揮できます。 それは顧客体験を向上させ、決して強引でしつこい印象を与えることなく、いつでも顧客と意思疎通を図れるようにしておく状況をつくるためのロードマップです。 

以下にCRM戦略の策定に向けた7つのステップを解説していきます。ぜひ、お役立てください。 

1. CRMの目標を設定する

どのような顧客関係管理戦略であっても、その基本的な目標は非常に単純明快です。つまり、顧客との関係を強化することです。

しかし、実際に戦略をまとめる場合には、もう少し具体的である必要があります。 実際のプロセスはどのようなものにしますか。 何をもって成功としますか。

実際の戦略や改善点について書き出そうとする前の、最初のステップは目標をはっきりさせることです。その目標は複数であってもかまいません。 たとえば、次のような目標が考えられるでしょう。

  • リテンション率(顧客維持率)の向上
  • 顧客のアップグレード数の増加
  • 顧客満足度の向上

SMARTゴールフレームワークを使って、CRM目標を設定してみてください。この目標によって、チーム全体が正しい到達点に向かって足並みを揃え、何をもって成功とするかについての共通理解を得ることができます。

2. 顧客を特定する

顧客との関係を強化し、利益の向上につなげたいのであれば、何よりもまず、顧客のことを正確に理解する必要があります。

ただし、これは全員の名前や住所を覚えなければならないということではありません。 そうではなく、主な顧客がおおむね分類されるセグメントについて理解する必要があるということです。 目的は何か? 顧客の課題は? 自社はどのような支援を行えるか?

多くの企業はこのような理解が、バイヤーペルソナあるいはマーケティングペルソナの作成に役立つと考えています。このペルソナは実際のデータや経験に基づいて作成されるターゲット顧客像です。 たとえば、熱心なアウトドア派を表す1つのペルソナを作り、さらに家族をアウトドアに連れていきたい両親を表す別のペルソナを作ることもできるでしょう。

ここでのポイントは自社の代表的な顧客はどのような人で、行動の動機となるのは何かということを掘り下げて理解することです。 これは、具体性を欠く広範なグループではなく、特定のオーディエンスを対象にアウトリーチ戦略や顧客関係管理戦略を調整するのに役立ちます。 

3. 典型的なカスタマージャーニーを理解する

どのような関係でも、関係強化に最適な方法の1つは、相手の立場に立って考えることです。つまり、相手の体験や感じ方を正確に理解することです。

これはまさにカスタマージャーニーのマップを作成する場合に、皆さんが行っていることです。 皆さんは顧客の役柄をイメージし、自社との関わりにおける典型的な体験とプロセスを可視化します。

これを行うのに最も単純な方法は、カスタマージャーニーをそのままある種のフローチャートとして示すことです。 スタート地点は潜在顧客があなたの会社と出会う(発見する)方法にします。つまり、考え得るすべてのエントリーポイントごとに異なるカスタマージャーニーをマップ化する必要があります。

たとえば、検索結果に表示されたブログをクリックしたことで初めて自社ブランドを知った顧客のカスタマージャーニーをマップ化するとしましょう。 その後、顧客は追加情報を受け取るためのメールアドレスを入力します。 それから、マーケティングメールの受信が開始される、と続けていきます。 

これに労力をつぎ込むのはかなり大変そうだと思うかもしれません。しかし、セールスファネルを進んでいく顧客の様々な可能性をしっかり把握できるという点で、これを行う価値はあります。 この理解をこの段階でしっかりと構築しておくことは、後でターゲットを絞った、より重要な顧客関係管理戦略を策定する上で助けとなるでしょう。

4. 改善領域を見つける

カスタマージャーニーのマップ化を完了しました。 では、今度はそれをルーペで拡大して見てみましょう。 顧客はどこで脱落していますか。 何を改善すべきでしょうか。

ホームページを初めて訪問した人を捕まえる方法がなく、積極的なオファーを提供できないということがわかるかもしれません。 あるいは、登録しても、期待しているようなサポートを最初に受けられないために、顧客がすぐに離れていることに気付くかもしれません。 

この批判的な(しかし必要な)レンズで顧客体験と顧客関係を調べてみることは、以前受けた顧客からのフィードバックを効果的に見直すことにも役立てることができます。 応答時間の長さに不満の原因があるのか、あるいは相手ごとに合わせたやりとりになっていないのかなど、そのような得難いインサイトによって、CRM戦略の改善をさらに推進していくことができるでしょう。

5. 戦略的変更を投入する

改善すべき点が何かを理解できたら、次はそれをどう実現していくかです。 このステップでは顧客関係管理の改善に向けて、どのような変更を実施していくかを特定することに焦点を当てます。

新規顧客向けの自動化されたウェルカムメールワークフローを作成するのか、セルフサービスで情報を取得できるナレッジベースを構築するのか、顧客アウトリーチのスケジュール作成か、あるいは顧客同士が交流できる専用コミュニティを始めるのか。ここは、チームとともにブレインストーミングを行うべき時です。カスタマージャーニーのあらゆる段階で、顧客とのよりよい関係を築けるすべての方法について検討してみましょう。 

6. プロセスで変更をサポートする

顧客関係管理への取り組みは、思いついた時や時間のある時に行えばいいというものではありません。 成果を得るためには、その取り組みはチーム全体の主要業務として着実に進められる必要があります。

そこで、決定した改善事項をサポートするためのプロセスを作成することが重要になります。 そうすることで、改善に向けた取り組みをチームの日常業務として統合することが可能となり、それらを確実に実行できるようになります。

タイムラインの作成や特定の業務担当者の指名から、テンプレート作成や自動化の活用まで、ワークフローと標準化された手続きを整備して、CRM戦略を確実かつスムーズに実行できるようにします。

CRMプラットフォーム(Wrikeの得意分野です)の検討もおすすめできます。 ソフトウェアの活用によって、業務プロセス全体とCRM戦略の編成および追跡がずっと容易になります。 

7. パフォーマンスを評価する

顧客関係管理の改善は継続的なプロセスです。つまり、ある時点で謎が解けて奇跡が起こるのを見守るというようなものではありません。

CRM戦略には、その一部として、定期的に進捗を評価する機会を盛り込んでおく必要があります。 最初のステップで設定したCRM目標に立ち返り、それらの目標に対してパフォーマンスの達成度合いを確認します(このステップでもCRMソリューションがあると便利です)。

このステップは、他の必要な変更や改善を積極的に行ってみる機会となります。 他の戦略の場合と同様、常に機敏で高い適応力を備えておきたいものです。 

WrikeはCRM戦略の成功を支援します

CRM戦略の成功には数多くの要素が関係します。これは企業が成長し、それに合わせて顧客ベースが拡大している場合は特にそうです。 数種類の別々のスプレッドシートで管理できていたようなことが、すぐにごちゃごちゃになり、混乱した複雑な状況に陥ってしまう可能性があります。

CRMソリューションを初めから実装することにより、多くの面倒事や頭痛の種をなくすことができます。 顧客の連絡先情報の整理から、カスタマージャーニーやセールスファネルの各フェーズに基づいた分類まで、Wrikeは多彩な機能を提供して、以下のような組織化された効率的な方法で、皆様のCRMアプローチの成功を支援します。 

  • 説明責任の向上につなげ、作業のやり直しを減らす、明確なタスクの割り当て
  • 顧客関係管理の効率化を図る自動化
  • 容易で直感的なリード管理
  • セールスファネルの各段階のタグ付け
  • リアルタイムのコミュニケーションツール
  • パフォーマンスを分析しパターンを発見しテクニックを改良するためのレポート作成
  • 他の主要な営業用アプリとの連携
  • 時間を節約できるカスタマイズ可能なテンプレート

Wrikeを活用することで、ロジスティクスの把握に費やす時間を削減し、最も重要なこと、つまり顧客との関係強化により多くの時間を集中させることができます。 

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