データドリブンマーケティングと、そのメリットを自社で享受する方法について知りたい方のために、 この詳細なガイドを用意しました。 MarTech Todayのインタビューで、音声マーケティングクラウドのInvocaでマーケティングVPを務めるジュリア・ステッド(Julia Stead)氏が語ったところでは、「[データドリブンマーケティング]は1980年代に始まりました。同時にダイレクトマーケターたちは、データに基づいたパーソナライゼーションによってビジネスをさらに高いレベルに引き上げたいと考えていました」ということです。 今回の記事では、パーソナライゼーションが重要である理由と、お客様のブランドがパーソナライゼーションでメリットを得る方法について詳しく取り上げました。また、お客様独自のデータドリブンマーケティング戦略をどうすれば立案できるかもご紹介しています。

データドリブンなマーケティングとは

データドリブンマーケティングは、意思決定のための情報の管理に基づいた戦略です。 ここで言う情報は、プロジェクトマネジメントプラットフォームやソーシャルメディア分析といったマーケティングツールによって得られ、記録されたものです。 過去のマーケティングデータで追跡、測定、分析できるものはすべて、将来のキャンペーン管理で効果的な戦略を立てるために活用できます。

データドリブンマーケティングの目的は、コンテンツ1つひとつをよりパーソナライズすることにあります。 この場合のパーソナライゼーションとは、リーチしようとしているターゲットグループのニーズと関心にアピールすることです。 マーケティングの準備の一環で市場調査はできますし、また実施すべきですが、パーソナライゼーションは各オーディエンスに何が響くかについて、正確な事実と数値を教えてくれます。 これは推測に基づいた判断を無くし、調査の時間を節約し、致命傷になりかねない知識のギャップを埋めることにつながり、お客様のチームが手掛けているマーケティングすべての効果をまとめて向上できます。

データドリブンではないマーケティングとはどのように違うのでしょうか。 データドリブンマーケティングでは、オーディエンス全体に1種類のメッセージを送るのではなく、どのグループがどのメッセージ、オファー、そしてアップセルを受け取るべきかをマーケターが特定することができます。 包括的なオファーは過去には効果を上げたこともあったかもしれませんが、ターゲットを厳しく絞ったアプローチを創造することで、より高いコンバージョン率や賢明なマーケティング支出、確実な長期的関係につなげることができます。

データドリブンマーケティングのメリットとは

データドリブンマーケティングには多くのメリットがあります。 まず簡単に行えること、高い効果があること、そして結果を出した実績があることです。 さらに、最も重要な点として、お客様の独自のビジネスに合わせてカスタマイズでき、他の方法では決して見つからない貴重な情報を得られます。 正しく使用すれば、データドリブンマーケティングは全体的なパフォーマンスを改善するために活用できます。 オーディエンスが何を求めているか推測する代わりに、お客様のチームは実際のデータに基づいて、本当に求められているのは何かを確認できるのです。

でも、私たちの言うことをそのまま受け取らないでください。 データの話をしていますから、公平を期すために、データドリブンマーケティングの実際のメリットについてリサーチとケーススタディーから得られた重要な知見の一部を、特にご紹介したいと思います。

  • 情報に基づいた意思決定Think With Googleのエキスパートによれば、「最先端のマーケターの3分の2近くが、直感に基づいた判断よりもデータを活用した判断のほうが優れていると考えている」そうです。
  • ROIの改善Invesp共同創業者のアヤット・シュカイリー(Ayat Shukairy)氏は、「データドリブンなパーソナライゼーションを導入したビジネスでは、マーケティング支出に対するROIが5~8倍になる」ことに気づきました。
  • 利益の拡大。 Forbesによる調査の分析でAttomdataが発見したのは、「データドリブンマーケティングを採用した企業は、競合他社よりも優位に立って収益を増加できる可能性が高く、 実際に、前年比で6倍も増収していると考えられる」ということです。
  • 競争優位性Forbes Magazineによれば、分析は「ビジネスの武器」です。すべてのチャネルについて、お客様のデータを使用して何が起こっているかを示すためです。 この武器により、カスタマージャーニーで発生する重要なイベントへの対応で競合相手よりも先手を打ち、チームが競争で優位に立つことができます。

言い換えれば、データドリブンマーケティングをベースにしているマーケターは、キャンペーンをより簡単に構築でき、好意的な反応も得やすいということです。これは最終的にはROIと収益の改善につながり、また言うまでもありませんが、セールスサイクルの重要な局面で競合相手より注目を集めることができます。

データドリブンマーケティングのキャンペーンで使用するデータの種類

顧客データは4つの大きなカテゴリーに分けられます。個人データ、エンゲージメントデータ、行動データ、態度データです。 カテゴリーごとにオーディエンスの異なる側面を表しており、オーディエンスが何に反応するかを示します。

  • 個人データはメールアドレスや電話番号などを指します。マーケターが個別の顧客を理解し、ターゲットグループの個人的な関心についてパターンを発見するために役立ちます。 個人データは同意がなければ収集できません。また、提供者に対して、わずか数分とはいえ時間を使わせることになります。 より多くのデータを集めるには、便利な無料のリソースやチュートリアルを提供して反応を促すことができます。
  • エンゲージメントデータは、既存のマーケティングすべてについて、何が良い反応につながっているか、また何がそうでないかを示します。 エンゲージメントには、ソーシャルメディアの投稿への「イイね」から、キャンペーンのメールを見た後の購入まで、あらゆるものがあります。
  • 行動データは顧客の購入履歴などを指します。より正確なプロフィールを構築し、魅力的なオファーを生み出すために役立ちます。 例えば、有料のターゲット広告でのA/Bテストの実施などによりデータを得ることができます。
  • 態度データは、オーディエンスが対象の製品やエクスペリエンスをどの程度好んでいるかという重要な点を示します。 このデータは、Yelpなどのサードパーティのレビューサイトや、トリップアドバイザーといった特定業界のプラットフォームから収集できます。 ソーシャルメディアのハッシュタグ、オンラインレピュテーションマネージャー用のツール、フォーカスグループでも、このカテゴリーの情報を豊富に得ることができます。

データドリブンマーケティングのキャンペーンに必要なマーケティング指標は、ターゲットによってさまざまです。 作家のマーク・ジェフリー氏によれば、マーケターが知っておくべき15のことがあるそうです。 一方でジョン・デイビス氏は、成功するには110の重要なマーケティング指標が必要だとしています。 しかし、マーケティングにおける他のすべてのことと同様に、実際に何が必要かは、「目的は何か」というたった1つの問いへの答えで決まります。

予定しているデータドリブンマーケティングのキャンペーンが何であれ、どのようなデータが必要かはマーケティングの目的次第です。 非常に一般的なことを言えば、マーケターは顧客の行動、セールス、個々のチャネルの効果について情報を集めるべきです。 個別の目的を評価する場合、その目的に合わせて選択したKPIと、より優れた決断のために収集する必要のあるデータとが、重複していることもよくあります。

Altitude Brandingによれば、ほとんどのマーケターは通常、まず次のデータを収集しています。

  • 参照元
  • 直帰率
  • コンバージョン率
  • エンゲージメント
  • マーケティング認定リード(MQL)
  • セールス認定リード(SQL)
  • リード獲得単価(CPL)
  • 顧客獲得単価(CAC)
  • 顧客生涯価値(CLV)
  • 投資利益率(ROI)

この情報により、マーケティングの取り組みが現時点でどの段階にあるのか、そして現実的には今後どの段階に進むのかについて、確実な理解を得られるはずです。

マーケティングエージェンシーによる、マーケティングデータの獲得方法

マーケティングエージェンシーは、マーケティングに使用するデータをいくつかの方法で取得しています。 Business News Dailyのインタビューで、Workdayのデータサイエンスマネージャーであるリアム・ハンハム(Liam Hanham)氏は次のように話しています。「顧客データを集める方法は3つあります。顧客に直接聞く、顧客を間接的に追跡する、顧客データの他の情報源を自社の情報源として追加することです。 堅牢なビジネス戦略には、この3つすべてが必要です」

この3つの方法それぞれについて、例をご紹介します。

  • 顧客に直接聞く:販売後調査からウェブサイト上での製品評価の星の数まで、すべて含みます。
  • 顧客を間接的に追跡する:ランディングページで訪問者が何かをクリックした場合にcookieの使用の同意を求める、といったことを指します。
  • 顧客データの他の情報源を追加する:このカテゴリーでは、サードパーティの調査機関や競合相手のウェブサイトにあるケーススタディーなどが役立ちます。

マーケティングエージェンシーによる、マーケティングデータの獲得方法

マーケティングエージェンシーは、調査研究、有用なアプリとツール、さらに直接契約を組み合わせて、マーケティングに使うデータを取得しています。 以下にその方法をいくつかご紹介しますが、これらに限りません。

  • 顧客満足度調査、ソーシャルメディアの投票、製品レビューの形式で、オーディエンスにフィードバックを求めます。
  • ソーシャルメディア、メールでのニュースレター、ウェブサイトの分析ツールを使ってエンゲージメントを評価します。
  • オーディエンスの行動を間接的に追跡するために、cookie、有料広告、Webビーコン、ロイヤルティプログラムなどのツールを利用します。
  • 過去の顧客サービスとセールスコミュニケーションの様子から、現在のオファーについてリードがどんな疑問や懸念、関心を持っているかを調べます。
  • サードパーティから顧客関連データ(顧客が属している産業、企業評価、チームの規模など)を購入します。

ここでご紹介したのは、明らかに複雑で時間のかかる作業です。 情報を引き出すデータソースの選択に加えて、マーケティングエージェンシーは情報を収集して整理するためのプロセスを作り上げる必要もあります。 プロセスができたら、有益な情報を得るための分析を行う前に、重複や古いデータを取り除くためのソリューションを開発することになります。

データドリブンマーケティング戦略を立案するための重要なヒント

ポッドキャスト「Digital Analytics Power Hour」のホスト、マイケル・ヘルブリング(Michael Helbling)氏、モエ・キス(Moe Kiss)氏、ティム・ウィルソン(Tim Wilson)氏、そしてWrikeのエキスパートから、役に立つヒントを集めました。

  • 常にコンテキストを含めますエピソード143でウィルソン氏は、重要な詳細を常に含めておき、「データを取り巻くコンテキスト、特にデータの期間」が確実にわかるようにするべきだと語りました。他のチームメイトがそのデータを検索したときに、古くなった情報を見つけやすくするためです。
  • 命名システムを作ります。 ファイル名の付け方について、全員を対象とした仕組みを導入し、 文書の種類、年月日、どのカテゴリーに属するかも含めるようにします。 例えば、企業のツイッターアカウントについて月次の分析レビュー用にファイルを新規作成する場合、この仕組みに従って「TwitterAnalyticsReview_May2021_SocialMedia」といったファイル名を付けることになります。
  • 脚注を使用します。 各ファイルのコンテキスト情報で他の使用者が圧倒されてしまうのを防ぎたい場合は、詳細を脚注か引用に含めるというやり方があります。 キス氏は次のように話しています。「分析を行う際、微妙に変化をつけながら30回は同じことを繰り返しているのではないでしょうか。 そして急に大勢の人にプレゼンテーションすることになって、誰かが特定の何かについて、どうやって計算したのか、何を含めたのか、または含めなかったのかと尋ねます。このような場合にも、脚注や引用を見ればわかります」
  • 相互参照で意外な結果を得られます。 データから驚くような結果を得たという方は、他の信頼できるリソースと相互参照させるというやり方を覚えておくといいでしょう。 キス氏はまた、次のように話しています。「お勧めしたいのは、別の情報源のチェック方法を常に見つけておき、ざっと目を通せば整合性が確認できるようにしておくことです。 例えば、全体的な傾向が同じかどうかをチェックしてみましょう。 何か1つがその傾向から外れていて、他はすべて同じ傾向を示していたりしないでしょうか」
  • アクティブリスニングを行います。 顧客と意見交換をしている場合でも、ステークホルダーと問題について話している場合でも、できる限り多くの質問をしましょう。 これはより多くのデータの収集に役立つだけではありません。その話題についてすぐにあなたの考え方を伝えてしまうよりも、心遣いのあるやり方で会話を切り上げ、得られた回答を思慮深く見直すことができます。
  • スプレッドシートから余分なものをそぎ落とします。 データを上手く可視化するための、ウィルソン氏の最も優れたヒントといえるでしょう。 エピソード134で、ウィルソン氏はキス氏の姉妹の「プリンターのインクが切れかけていると考えてください」を引用しました。 プリンターがインク切れ間近となると、文書から不必要な情報を削除するだけでなく、知見を要約したり、より直接的な表現を使ったりし始めるものです。 これはデータについての他の人とのコミュニケーションを容易にします。

Wrikeでマーケティングデータを理解し、活用する方法

Wrikeはマーケティング情報を扱うための便利なシステムです。マーケティングエージェンシーが関連するデータすべてを1か所に収集、保存し、その場所で分析できるようにします。 チームリーダーはデータ収集時、データのレポートのダウンロードと保存といった反復作業を割り当てることができます。 各タスクは特定の個人やチームに割り当てることが可能で、個別に期限を含めることもできます。また、チームメンバーがレポートについて話し合うためのスペースをタスクのメモに作成して、誰かが後から見てもわかるように保存しておくことができます。 チームはタスクのリマインダーを設定したり、定期的なデータのクリーニングやアップデートといったタスクを作成できますし、 各タスクに優先度を指定して、割り当てられたメンバーがやることリストのどの項目から手を付けるべきかわかるようにすることも可能です。

また、Wrikeはユーザーが安全にデータを保存できるようにサポートしています。これはデータドリブンなアプローチを始めたばかりの、あるいは改善中のマーケターにとって重要な懸念事項の1つです。 言うまでもありませんが、顧客データは機密情報です。安全対策が実施済みの一元管理されたデータベースに保存できれば、安心感を得ることができます。

最初のデータ収集タスクが作成され、ストレージの安全性が確保されれば、ユーザーは使用しているセールスCRMをWrikeに接続できます。 そうすれば、フォルダー、サブフォルダー、検索可能なタグを使って、既存の顧客とリードのデータを整理できるようになります。

その後は、データを収集してWrikeに追加するためのワークフローを、使用していく中でセットアップしていきます。 チームが軌道を外れないようにするだけでなく、説明責任を果たし、変わり続ける規制へのコンプライアンスを維持していくためにも役立つでしょう。 また、個別のチームメンバーへのアクセス権付与やアクセス権の編集により、必要なときと場合にのみデータを利用できるようにすることも可能です。

最後になってしまいましたが、人気のアドオンであるWrike Analyzeを活用することもできます。 Wrike Analyzeでは、完全にパーソナライズされた分析ボードを作成し、データを可視化し、チャートを作成して、日次ベースで自動アップデートすることができます。

データドリブンマーケティングを始める準備はできたでしょうか。 Wrikeのデータ同期やセキュアなストレージ、高度なフォルダー、タスク整理ツールをお試しいただくには、2週間のWrike無料トライアルをご検討ください。